オレ竜が“格安”で新外国人2人を獲得した。中日は15日、元ナショナルズのトニ・ブランコ内野手(28=ドミニカ)、ネルソン・パヤノ投手(26=ドミニカ)の獲得を発表した。新大砲候補ブランコの年俸は今季限りで退団した前主砲ウッズの年俸6億円の20分の1にも満たない30万ドル(約2700万円)。来季はレギュラーを入れ替え、チーム若返りを目指すため新外国人補強も堅実路線となったようだ。(金額は推定)

 ウッズに代わる大砲候補は超格安だった。ドミニカ・ウインターリーグ視察から帰国した森バッテリーチーフコーチがこの日、名古屋市内の球団事務所を訪れた。西川球団社長らに報告を済ませると球団は新外国人選手2人を発表。注目の新大砲ブランコの年俸は30万ドル(約2700万円)。ウッズの今季年俸6億円の22分の1にも満たなかった。

 「あまり金をかけない方針だった。大化けしてくれればいい」と西川球団社長が話したように、コストのかからない発展途上の外国人を探した結果、2人に白羽の矢を立てた。元ナショナルズでメジャー通算1本塁打のブランコについて森コーチは「当たれば飛ばす力はある。守備はバッテリーと二遊間以外はできる」と評価。ウインターリーグ全体で4位タイの7本塁打を放った長打力、複数ポジションをこなせる能力が魅力だが、首脳陣は一塁候補と考えているようだ。

 また最速94マイル(約150キロ)の速球が武器という左腕パヤノも年俸15万ドル(1350万円)と格安での獲得となった。ウインターリーグでは川井らと同じエスコヒドに所属。15試合で防御率1・80の成績を残した。森コーチは「うちは左のリリーフが足りない。岩瀬につなぐ左がいればいいなと思っていた」と左のセットアッパー候補と期待した。

 ともに1年契約で契約金はブランコが5万ドル(約450万円)、パヤノが3万ドル(約270万円)。獲得資金は2人総額で5000万円にも満たず、これも05年にウッズ獲得に投じた2年総額約10億円の20分の1に抑えられた。森コーチが「他の日本人選手と競って出られなければ実力が下だということ」と話したように、ポジションも保証されず「助っ人」というより未知数の「新戦力」と言える。来季はチーム若返りを目指すオレ竜だけに、外国人補強も堅実路線となった。【鈴木忠平】