広島緒方孝市外野手(39)が18日、新球場を“初体験”した。兼任コーチでもある緒方は、永田外野守備走塁コーチとともに建設中の新球場を訪れ、外野フェンス、芝の状態などをチェック。新球場の広さに驚いた様子で「感動したよ。これは絶対グラウンドに立ちたいと思った。開幕戦?

 目標に頑張ります」。新球場は来年4月10日の中日戦で幕を開ける。

 新球場の内部視察を終えたベテランは目を輝かせた。左翼101メートル、右翼100メートル、中堅122メートル。その広大さにまず驚く。「想像はしていたけど…。改めてグラウンドに降りてセンターからホームを見た時、『思ったより広い』と感じた」。

 視察の目的は芝の状態、外野フェンスなどのチェック。きれいに生えそろった総天然芝のグラウンドに足を踏み入れた。「踏んだ感じではすべらない。芝はすごくよかった。今すぐでもプレーできる」。寡黙な男が興奮気味に話し、喜びが伝わってくる。

 緒方は新球場の外野フェンスの安全性に関して「ぶつかってもケガしないように」と要望を出していた。建設の過程で、緒方の意見を取り入れ、ラバーは1センチ厚くなった。甲子園と同じ素材が使われている外野フェンスにボールを何度も投げ、クッションを確かめた。そして自ら体当たりを試みて、固さも体感した。「打球を想定しながらぶつかった。要望通り。全然問題ない」。

 今季スタメンは5試合。うち2試合が指名打者。途中出場も含めて守備機会は4試合のみだった。契約更改の会見では「(来年は)守るつもりでいるし、走るつもりでいる」と胸中を明かした。来季、新球場で思いを果たす準備を着々と進めている。

 「最初に入った瞬間、これは絶対にグラウンドに立たなきゃいけない、立ちたいと思った。感動したよ。こういう球場は日本のどこにもない。『広島の球場』と感じた」。来年4月10日の中日戦が新球場の開幕戦。「それを目標に頑張ります」。25日に40歳を迎えるベテランは、そう言ってまた笑った。【網

 孝広】

 [2008年12月19日10時11分

 紙面から]ソーシャルブックマーク