カリスマ継承へ-。甲子園を沸かせた新旧「怪物」対談が実現した。前オリックスの清原和博氏(41)と日本ハム中田翔内野手(19)が新春に夢のツーショット。何かと比較されることの多い2人が共通する野球観などを語り合い、清原氏が日本球界を背負う長距離砲として中田を後継指名した。阪神金本知憲外野手(40)も引き合いに「番長とアニキをミックスしたような選手になれ!」とエールを送った。それに応え、中田は飛躍の2年目にすることを誓った。

 <初対面>

 清原

 いい面構えしてるね。喜怒哀楽がはっきりしてる。今はポーカーフェースの選手が多いけど、ファンから見ててもうれしいんだろうな、悔しいんだろうなって、全身からオーラとして出てる。高校野球を見ていても、これはすごいのが出てきたなっていうのがあった。松井(ヤンキース)も少しは思ったけど、そこまでじゃなかった。左バッターだしね。右バッターで、なかなかああいう感じのホームラン打ち分けられる選手はいないよな。オレのルーキー記録(打率3割4厘、31本塁打、78打点)が抜かれるときがきたかな、という感じがした。でも1軍上がらなかったな(笑い)。

 中田

 清原さんはあこがれです。男のオーラというか、こんなに近くで味わって…。すごいです。

 清原

 今のスポーツ選手って、みんなスマートだからね。ゴルフの石川遼君とかテニスの錦織君とか、みんなさわやかすぎる。野球界はもっとどす黒い(男くさい)感じがあってもいいんじゃないかな。野球選手って、僕らが小さいとき怖かったから。近づいていくと「オラッ」って感じでね。そして全員パンチパーマだしな(笑い)。おれは(キャラクター的にも)自分の後継者になってほしいという気持ちがあった。でもお母さんの方が年齢近いんちゃうかな。お母さん年齢いくつ?

 中田

 45歳です。

 清原

 ね(笑い)。僕が41歳だから。それでも気になるんだよ。(ドラフト前に運命を感じると発言)僕が(くじを)引いてたら当たってたと思う。あのときコリンズ監督だったかな、引いたの。絶対当てたのに…。

 <類似点>

 清原

 やっぱり圧倒的な飛距離でしょ。たくさんの外国人選手がいる中で、外国人には負けない圧倒的な飛距離を中田には要求したい。ショートゴロもアウトはアウト。それやったら三振してもいいから、大きいのを狙ってほしい。ショートゴロ打っても足遅いわけだから(笑い)。

 中田

 清原さんみたいなオーラは、自分にもこれからは必要だと思っていますし、右方向にあれだけ飛ばせるっていうのはすごいことだと思うので、そういうところをどんどん学んで少しでも近づきたいです。

 清原

 清原は清原、中田は中田みたいな感じでね。僕のいいところをちょっと取ってもらって、自分でアレンジして、中田らしい色を出してくれれば、またファンが増えていくんじゃないかな。(つづく)

 [2009年1月5日11時51分

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