【ニューヨーク19日(日本時間20日)=大塚仁】3月に開催される野球の国・地域別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加する16チームの1次登録メンバーが発表された。日本は代表候補として発表されている33人に加え、故障者などが相次いだ場合に招集される9人を加えた42人が登録された。米国では特集番組が組まれたが、日本については、日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が大注目され、徹底分析もされた。米国も日本のエースに強い関心を持っていることが明らかになった。

 世界がダルビッシュの徹底マークを開始した。WBC16カ国・地域の1次登録メンバーが一斉発表となったこの日、MLBネットワークで放送された特集番組は、日本のダルビッシュを徹底分析した。

 日本の戦力分析、サムライジャパンからピックアップされたのはダルビッシュだった。日本での投球映像を繰り返し放送。07年にパ・リーグMVP、沢村賞を獲得しチームをリーグ優勝に導いた経歴が紹介された。

 ダルビッシュをよく知る人物としてロッテ・バレンタイン監督が生出演。ダルビッシュについて「素晴らしいムービングファストボールを投げるし、コントロールもいい。しかもまだ22歳。非常に、非常に強敵になる」と高い評価を語り、米国をはじめとした強豪各国にとってのNO・1要注意選手と指摘した。第1回を振り返る映像では上原、松坂、福留、イチローらの活躍で日本が優勝したと紹介した。だが第2回で注目されるのは、それらの選手よりも、ダルビッシュであるという放送内容となった。米国はじめ、中南米の強豪チームにとって「未知なるエース」は、興味の対象でもあり、脅威の対象でもあるのだ。

 ダルビッシュの米国での注目度は日に日に増してきている。関連するニュースはその都度詳細に報じられ、今季の日本ハムとの契約を年俸2億7000万円で更改したことも全米でニュースとなった。近い将来大リーグに挑戦するであろう投手として、米国での存在感は着実に増していた。

 ダルビッシュは3月5日の日本対中国(東京ドーム)で開幕するWBCにすべての照準を合わせている。1月になって「まずはWBCのことしか考えていない。シーズンのことは終わってから考える」と明言。2月1日のキャンプイン後に関しても「最初からWBC使用球を使う」と継続して順応を図っている。日本のエースはライバルからの徹底マークも意に介さず、自分の力を最大限に発揮して、優勝を導く態勢に入っている。

 [2009年1月21日8時44分

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