全員オレ流でいけ!

 中日落合博満監督(55)が1月31日、沖縄県国頭郡のホテルで行われたキャンプ直前ミーティングで、選手に過激なサバイバル指令を出した。ここまで昨年とは正反対の競争主義を打ち出し、若手の奮起を促してきたが「ゲームで生意気なぐらいがいい。食うか食われるか」とハッパをかけた。1、2軍の頻繁な入れ替えも予告し、1日から激しい生き残り合戦が繰り広げられる。

 かたずをのんで視線を向ける選手たちに、落合監督が語りかけた。「1番感じるのは人がよすぎること。やんちゃぶりを発揮してほしい。ゲームで生意気なぐらいがいい。食うか、食われるかだ。ポジションが明いているとこがあるだろう」。口調は穏やかでも、全員に“オレ流”を求める過激な内容。下手をすれば空中分解しかねない指令だが、他人をけ落としてでもというプロの覚悟をあえて求めた。

 チームを壊し、作り変える覚悟だった。昨年はキャンプ初日にレギュラー8人固定を明言したが故障離脱者が相次いだこともあり、3位に終わった。そこから川上、ウッズ、中村紀が離脱したが、レギュラーを外れていた選手が「控え慣れ」「2軍慣れ」している側面もあった。もう1度常勝軍団に戻るにはどうすべきか。全員に激しい競争を求め、闘争本能を取り戻させることを決めたようだ。

 競争をあおるべく、頻繁な1、2軍入れ替えも宣言した。「過去にないほど1軍で選手を使うことになる」。就任1年目の04年にリーグ記録となる57人を1軍登録し、優勝につなげた。常識破りといわれた戦法を、さらにパワーアップさせる。よければ使い、ダメなら落とす。1、2軍を問わず、全員にハングリー精神を植え付ける。

 ミーティングを終えた指揮官は「新人に頼らなければいけないようじゃダメ。プロ野球選手なんだからプロ野球選手としての仕事をしてくれ」と話した。大きな補強なしで日本一奪回を掲げる今季は、全員オレ流の過激なスタイルで幕を開ける。【村野

 森】

 [2009年2月1日10時56分

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