日本ハム中田翔内野手(19)が4日、居残り特打を行い、142スイングで柵越え49本と猛打を爆発させた。右打ちを意識した前日は柵越えなしだったが、この日は左翼後方の砂浜まで到達するスプラッシュ弾やスコアボード直撃弾など“らしさ”全開で球場をわかせた。

 快音を響かせた打球は、次から次へとスタンドに着弾した。約30分の特打は、久々の開演となった「翔タイム」。「バットの出し方や角度を変えるだけで、こんなに違うんですよね。今日は、スイングの形がよかった」と手応えをつかんだ。

 フォーム固めのためにフルスイングを封印し、右打ちやライナー性の打球にこだわってきた今キャンプの中田。だが直前に打っていた稲葉の打撃を観察し、スイングの軌道を参考にした。さらにその稲葉の言葉が火をつけた。「よしホームラン競争だ」。偶然142スイングと同じ数だったWBC戦士は42本の柵越えで終了。7本差で中田の完勝だった。

 打撃ケージ横で見つめた梨田監督も「昨日までは迫力がないというかこぢんまりとしていると思っていたけど、今日見たらとんでもないね。やっぱり怪物やな」と目を丸くした。眠っていた怪物のお目覚め。“冬眠”中も「(フリー打撃で)ホームランはいつでも打てる」と豪語してきただけに「ねっ、簡単簡単」とニヤリ笑った。【本間翼】

 [2009年2月5日9時36分

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