中日ドラフト1位野本圭外野手(24=日本通運)が18日、韓国・LGとの練習試合(北谷)に1番中堅でスタメン出場し、第1打席でプロ初安打を放った。安打はその1本だけ、走塁面でも課題を残したが、対外試合初戦のいきなりのヒットで首脳陣に存在をアピールした。また、藤井淳志外野手(27)も本塁打を含む2安打と活躍。開幕センターの座を狙う2人が、早くも火花を散らした。

 初の舞台にふさわしい、鮮やかなライナー性の当たりだった。ルーキー野本がプロデビュー戦の初回第1打席で、プロ初安打となる右中間へのヒット。「前回は考えすぎていたけど、きょうは積極的に振れました」。1ボールの後、2球目の内角球を迷わず振り切った。

 初球から積極的に振りにいく野本らしさを取り戻した。5打数無安打3三振に終わった8日の紅白戦では、消極的なバッティングが目立っていたが、この日は5打席中、4度の打席でファーストストライクをスイング。「1番は出塁するのが仕事ですから」。四球も選んで計2度の出塁。1番の役割をこなし、開幕スタメンに向け、バットでは快調な第一歩を切った。

 一方、走塁面では課題も残した。初回1死。2塁走者だった野本は、中川が放った左翼フェンス直撃の二塁打で、捕球の構えに入ったレフトの動きを見て、タッチアップのため二塁に帰塁しかけた。

 だが、左翼手の動きはフェイク。野本は打球がフェンスに当たったのを見て、慌てて三塁に進塁したが、本塁には戻れず。笘篠外野守備走塁コーチは「タッチアップと思って戻ったんでしょう」と説明したが、野本は「打球を見て判断しないといけないのに、野手の動きを見てしまった。あれは僕のミス」と猛省した。

 ウッズ、中村紀と2人の大砲が抜けた今季、中日では例年よりも走塁が重要となってくる。今キャンプでも練習後、定期的にミーティングを開き、チームプレーの動きの徹底確認しているほど。それだけに、開幕スタメンの座をつかむためには、走塁ミスの克服は必須条件となってくる。この日はバットで結果を残した野本。次戦では走塁面でも合格点を狙っていく。【福岡吉央】

 [2009年2月19日10時23分

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