2軍スタートの男たちが外野手争いに殴り込みをかけた。20日、中日は北谷球場で三星(韓国)と練習試合を行った。平田良介(20)の1発を皮切りに中村公治(27)、堂上剛裕(23)ら外野のポジションどりを目指す若手が計5本塁打を放って10-5と快勝。落合博満監督(55)も「自分らで決着つけるって。こっちは見てるだけ」と競争激化を歓迎した。

 この日のメンバーは2軍読谷球場の選手が主体だった。首脳陣が設けた1軍昇格へのビッグ・チャンス。全員が目をぎらつかせる中で、口火を切ったのは平田だった。2回、高め直球を低い弾道で左翼席に運んだ。

 「ボールを近くでとらえることをテーマにしてきた。その方がしんでとらえることができるし、飛びますから。やってきたことは間違っていませんでした」。

 8回にもタイムリーを放った平田は2安打2打点。昨年から確実性と飛距離アップのために「ボールを引きつける」をテーマにしてきた。昨秋キャンプで故障離脱した影響で今キャンプは2軍スタートだが「全試合出場&20本塁打」という目標のためにも、まず開幕1軍を勝ち取りたい。

 これに刺激を受けたライバルたちも続いた。6年目の中村公は4回に直球を左翼席に運ぶと、6回には内角の変化球をまたも左翼スタンドへ2打席連続弾。さらに7回には堂上剛が中堅左へソロを放った。「しがみついてでもチャンスをものにしたい」と中村公が言えば、堂上剛も「開幕スタメンはあきらめていません」とキッパリ。

 森野が内野に専念する今季は、中堅が空く。ここまではルーキー野本、藤井がしのぎを削っているが、昨季59試合に出場した平田も参戦する。また一塁を守る新外国人ブランコの守備固めとして左翼和田が試合終盤に一塁へまわるプランも準備しており、そうなれば中村公、堂上剛にも左翼出場のチャンスがある。

 落合監督も目の前でアピール合戦を繰り広げた若竜たちに満足そうな表情。スタメンを固定した昨季から一転、今季は「競争」をテーマに掲げているだけに楽しみが増えていくゲームだったようだ。【鈴木忠平】

 [2009年2月21日12時25分

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