さあ、メンチの本格デビューだ。09年型阪神打線の骨格が28日、オープン戦開幕試合となるオリックス戦(安芸)でお披露目される。1番から3番までは赤星、関本、鳥谷が並び、4番には新井を起用。目玉となる新外国人ケビン・メンチ外野手(31=ブルージェイズ)も「6番右翼」での先発が濃厚だ。オープン戦全勝を掲げた真弓監督が描く新打線は、メンチの活躍が不可欠。機動力プラス破壊力を売りとする真弓阪神の新打線が、大石オリックスに襲いかかる。

 真弓阪神の09年型打線のカギを握る男メンチが、オープン戦開幕ゲームからお目見えする。1番から3番には公式戦開幕でも有力な赤星、関本、鳥谷。今日は、4番には本来5番を任される新井が座り、今岡をはさんで、6番に新助っ人がスタンバイ。主力で出場しないのは、じっくり調整の金本と矢野のアラフォーコンビぐらいで、キャンプ地でのオープン戦初戦は必勝態勢で臨む。

 「練習試合で負けてるから、何とかオープン戦の初戦は勝ちたい。(主力は)順調に来てるし、もう試合に出していいぐらいの状態だからね」。若手主体で挑んだ沖縄での練習試合は、まさかの2連敗。その悔しさも勝ち気な真弓監督のハートに火をつけた。主力はケガもなく順調&好調。ならば現時点のベスト布陣を敷いて勝ちにいくまでだ。

 中でも期待はメンチのオープン戦デビュー。15日のヤクルト戦は左翼へ本塁打を放ち、ド派手に来日初実戦を飾った。今度は初めて赤星、関本、鳥谷らを塁上に置いた打席で、どんな打撃をしてくれるのか-。

 メンチがにらみをきかせば、真弓監督が描く新打線が機能する。シーズンでは4番金本、新5番新井とも勝負せざるを得なくなり、相手には逃げ場のない打線が完成する。この日の特別休暇をゴルフでリフレッシュした助っ人は「どんどん生きた球を見たい」と腕ぶした。

 もう1人の目玉、3番鳥谷も新境地での真価発揮に燃えている。今季の打順は金本、新井への“つなぎ役”として重要な役割を担う。「失敗を恐れず、実戦でどこまでできるかチャレンジする段階」とオープン戦でも攻めの姿勢は貫く構え。「(走者が)一つでも進むと打ちやすくなるものですからね」。後ろを打つ2人のために、ヒットを打った後も積極走塁を心がける。

 真弓監督は力強く言った。「オープン戦は全部勝ちに行くよ。(積極的な走塁は)シーズンを通してやりたいから(もちろん明日も)」。26日の紅白戦では赤星、関本、鳥谷が打って走ってつなぎ、新井が返すパターンで得点を量産した。ここに今度はメンチが加わり「スピード+破壊力」の新打線が形成される。大石オリックスとの関西ダービーが、デモンストレーションの舞台になる。【松井清員】

 [2009年2月28日11時41分

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