<日本ハム1-3楽天>◇3日◇札幌ドーム

 日本ハム稲葉がイチかバチかの超美技を披露したが、勝利にはつながらなかった。「あれで流れを止めたんだけどね…。最後までこっちに(流れを)持ってこれなかったね」。新主将は帰りの車に乗り込む際、開幕黒星を悔しそうに振り返った。

 体を張った超ファインプレーは2点リードされた7回だ。楽天が切り札の代打高須を送ってきた2死三塁。右中間手前に襲ったライナーにダイビング。精いっぱい伸ばした右手のグラブにすっぽり打球が収まった。大歓声とともに、ダルビッシュもマウンドを下りた付近でグラブタッチで感謝を示した。

 もう1点も許されない場面でのギャンブルだった。「途中(打球が)ライトと重なって(見えなくなって)この辺だろうと跳んだら球が出てきた」と裏話を披露。一気に球場が盛り上がるビッグプレーだったが逆転ならず。3回の1点を返した後の追加得点機を逃したことを悔やんだ。

 WBCの同僚岩隈には第1打席での1安打のみ。「手も足も出ない感じじゃなかったけど、僕らがとらえきれなかったのは反省」。それでも世界制覇後の開幕戦で、WBC最年長選手が存在感は示した。「まだ若い。まだやれるよ」と前を向いていた。【村上秀明】

 [2009年4月4日10時45分

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