<ソフトバンク0-9日本ハム>◇11日◇福岡ヤフードーム
ルーキーが起用に応えた。日本ハムのドラフト1位大野奨太捕手(22)が、初の先発マスクで好リードをみせ、4投手の完封リレーへと導いた。5回で6四死球と制球に苦しむ先発藤井を苦心のリードで踏ん張らせるなどし、勝利へつなげた。打線も13安打と、今季7戦目で早くも5戦目の2ケタ安打を記録し、9得点を挙げての快勝。4連勝で貯金1とし、今季初めて白星が先行した。
プロ1年生の度胸と頭脳が、大きな1勝を呼び込んだ。大野が今季初の完封リレーの立役者だった。4投手をリードし、9個の「0」を並べ切った。ソフトバンク打線を14残塁。ピンチの連続を乗り切り、初先発初完封で、自身の節目を飾った。チーム4連勝で、今季初の貯金1をもたらし「完封は捕手として一番、うれしいこと」。火照った表情が、充実感を象徴していた。
大胆な3球勝負で、試合の流れを決めた。初回、先発藤井が1安打2四球の乱調。失策絡みの最悪ムードで2死満塁のピンチに、打者・中西を棒立ちにさせた。初球スライダーの後、2球連続で直球。ファウルで簡単に追い込み、最後は外角低めで見逃し三振に仕留めた。技巧派の藤井を引っ張る基本プランは、緩急を生かすこと。「最初に変化球を頭に入れることができた」。組み立てたシナリオ通りの結末へと導いた。
3回も同じく2死満塁で、中西を内角低めスライダーで空振り三振。浮足立ってもおかしくない序盤を乗り切り、波に乗った。10歳年上の藤井もほぼ首を振ることなく、昨季の大学日本一捕手のサインに従った。「暴れ馬をなだめるように、うまく放らせた」。かつての名捕手、梨田監督もうなる操縦術が、大味な試合を締めた。これまで途中出場2試合だけ。事実上の“デビュー戦”で、早くも頭角を現した。
エースのダルビッシュと同い年。近年、捕手を固定できずにいるチーム事情を変える可能性を秘めるスター候補生が、最高のスタートを切った。オープン戦からノートに対戦する打者の傾向と対策をメモしてきた。それでも「あまりデータに頼りすぎないようにしている」。オープン戦を通じ初対戦のソフトバンクだったが、そんな捕手としての天性の直感も生きた。「ほどよく緊張しました」。肝の据わった22歳が、新しい未来へのステップを刻んだ。【高山通史】
[2009年4月12日10時32分
紙面から]ソーシャルブックマーク



