<楽天4-1西武>◇12日◇Kスタ宮城

 帰ってきた男の活躍で、再び単独トップだ!

 楽天が西武に4-1で逆転勝ちした。この日、1軍に昇格して即スタメン出場の草野大輔内野手(32)が、4打数4安打と爆発。11安打の打線の火付け役となった。WBCでのチームメートの活躍に元気をもらい、故障から復帰した男のバットで、チームは6勝3敗で貯金を「3」とし、再び単独首位に立った。

 草野のバットから、快音が止まらない。2回1死の今季初打席で右前へきれいに運ぶと、後は打ち出の小づち。1点を追う6回1死一塁からは中前打を放ち、この回の逆転劇をおぜん立て。07年9月22日のロッテ戦、同27日のオリックス戦以来、自身3度目の4安打固め打ちだ。社会人3チームを経たプロ4年目の“遅咲き安打製造機”が、ド派手に帰ってきた。

 お立ち台で「いい『1人開幕戦』になりました!」と叫んだ草野。この日、1軍登録されたばかりで、6番三塁の先発起用に見事、応えた。3月1日のロッテとのオープン戦(長崎)で右ふくらはぎを肉離れ。2軍で我慢の調整を続けてきた男は、仲間の勇姿を刺激に、はい上がってきた。

 岩隈とは音楽という共通の趣味で盛り上がり、田中からは良き兄貴分として慕われている。その2人が挑んだWBCで日本代表が連覇を決めた際、草野はテレビの前で涙を流した。「仲間も頑張ってるから自分も-という気になれた」と自らを奮い立たせた。

 これでチームは再び単独首位。試合前、野村監督にあいさつすると「忘れてたよ」と言われた草野だが、試合後は「監督を胴上げしないと。このまま首位を守っていきたい」。イヌワシ軍団に頼れる男が戻ってきた。【由本裕貴】

 [2009年4月13日11時5分

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