<広島1-2横浜>◇16日◇マツダスタジアム

 横浜の大矢明彦監督(61)が三塁側ベンチではなく、裏の階段の下で声を張り上げた。「ナイスゲームッ!」。延長10回表に佐伯が押し出し四球を選んでの泥くさい勝利に、ナインやコーチ陣と歓喜のハイタッチをかわした。開幕6連敗後の2カード連続勝ち越し。「チームのみんなの執念で勝ち取った」と興奮気味に振り返った。

 監督の執念が実った。同点に追いついた直後の6回表、吉村のファウルチップの判定に猛抗議。「指をグリップにかけてるし、当たるわけないんだよね。打ちにいったわけでもないし。『次、よく見てよ』という場面じゃなかった。引き下がれませんでした」と話した。遅延行為で退場処分となり、杉村打撃コーチにタクトを預けていた。

 雨天中断や退場劇など波乱の勝利に、大矢監督は「修羅場をどうくぐっていくか。若い人の力になってくれると思う」と手ごたえを感じた。もう競り負けない。ハマの浮上が始まる。【今井貴久】

 [2009年4月17日8時16分

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