<中日5-6巨人>◇19日◇ナゴヤドーム

 ライバル巨人に本拠地で3連敗した。チームとしては7年ぶり、落合博満監督(55)にとっては就任6年目で初の屈辱。胸中に渦巻くのは怒りか、虚無感か。だが、会見場に現れた指揮官は意外にも笑みを浮かべていた。

 「意味のある1敗だろうな。ちょっと今までの負け方とは違う。普通だったらボロボロになるゲーム」

 ベンチからすれば初回からタオルを投げ入れたくなるような展開だった。1年ぶり先発の山井が先頭打者に死球を与えると小笠原の中前打で先制された。さらにラミレスの打球を一塁ブランコが弾き、悪送球するダブル失策など1イニング3失策で4失点。満員のスタンドも静まり返った。

 だが、ここから猛反撃が始まった。巨人先発高橋尚から1点を返して迎えた3回、ブランコが3号2ランを放つと、続く和田は左中間へ6号同点ソロ。さらに4回には荒木のタイムリーで5-4と逆転した。

 結局、2番手ネルソンが5回に再逆転されて敗れたが、落合監督はブランコのミスも一笑に付した。「責めるつもりはない。去年までならヒットになっていた」。川相内野守備走塁コーチも「去年までのウッズであれば、あの打球は捕りに行かない。きょうは動きすぎて裏目に出たけど積極的なミスだから」と話した。

 他球団との対戦がひと回りして6勝8敗。それでも落合監督は強気だった。「どの球団が、どういう野球をするか大体わかった。十分、勝負になるってことだ」。ペナントレース144試合を見据えて戦う落合監督。この日の言葉の真偽は今後の結果が証明してくれる。【鈴木忠平】

 [2009年4月20日11時29分

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