右足の故障で2軍調整中の中日谷繁元信捕手(38)が20日、故障後初めて屋外フリー打撃を再開した。二塁へのスローイングも行い、関係者によると順調ならば5月2日からの横浜戦(横浜)にも1軍復帰できる見通しだという。チームは正捕手離脱後、2勝8敗と下降線。1日も早い復帰が待たれる中で谷繁が順調な回復ぶりを示した。

 谷繁の表情は明るかった。故障後初めての屋外でのフリー打撃。真っ先に打席に入ると感触を確かめるようにバットを振った。マシンと合わせて約50スイング。まだフルスイングではないが、快音を連発した。

 「よくなっていますよ。(実戦?)それはわからない。その日になればわかるよ」。谷繁は実戦復帰の時期について問われると言葉を濁したが、関係者によれば4月28日からのウエスタンリーグ・ソフトバンク戦(ナゴヤ球場)で出場できれば、5月2日からの横浜戦(横浜)にも1軍合流できる見通しだという。フリー打撃の前には、やはり故障後初となる二塁へのスローイングも行っており、調整は実戦モードに突入してきた。

 7日ヤクルト戦(神宮)で右足を負傷して途中交代した谷繁は翌8日に登録抹消された。開幕4連勝を飾ったオレ竜だが、谷繁離脱後は2勝8敗と急降下。7年ぶりに巨人に本拠地で3タテの屈辱も味わい、4連敗中だ。巨人戦では落合監督ら首脳陣が第2捕手小田のリードに疑問を呈し、第3戦には新加入の小山をスタメンに起用したが、巨人打線を止められず。正捕手不在の10試合は防御率は6・90。あらためて谷繁の存在感が浮き彫りになった。

 「僕はコーチではないから、そういうことはわからない」。谷繁は現在のチーム状況には触れなかったが心中穏やかなはずはない。きょうからは阪神との3連戦、そして週末には敵地東京ドームで巨人戦が待つ。苦しい戦いが続く中、正捕手の順調な回復ぶりが希望の光だ。【鈴木忠平】

 [2009年4月21日10時46分

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