<西武5-4ソフトバンク>◇28日◇西武ドーム

 ソフトバンクがミスで自滅した。2回にオーティズとローの失策から2失点し、6回には4-4から本多の痛恨のタイムリーエラーで決勝点を献上。3失策すべてが失点に絡み、走塁ミスもあった。西武には今季4試合、昨年から通算して9試合連続で未勝利となった。秋山幸二監督(47)はミスの多さを認めながら、緊急ミーティングで「力がないわけでない。自分を信じろ」と呼びかけた。

 西武ドームの名物108段の階段。チーフコーチだった昨年8月以来の“対面”で、秋山監督はいきなり息を切らされた。「ちょっとミスが多すぎるよな。常に点に絡んだ」。罰ゲームのような階段登り。失点シーンを振り返れば気持ちも重くなりそうだった。

 2点のリードを5分ほどで失った。2回1死一塁で三塁オーティズが三ゴロをはじき、来日初エラー。一、二塁から重盗を仕掛けられると、ローは三塁へ悪送球。オーティズのベースカバーも遅れ、二塁走者中村にホームを踏まれた。ボカチカの内野ゴロであっけなく同点に追いつかれた。

 一時は勝ち越しながら、負の連鎖は切れない。本多は4-4とされた直後の6回1死一、二塁で代打清水の高いバウンドを後方にそらし、これが決勝の適時エラー。イレギュラーにも見えたが「バウンドは変わっていません。あの場面はゲッツーは無理。1人しかアウトを取れないし、僕が前に出るべきでした」と言い訳はしなかった。

 今季2番目に多い3失策を記録し、西武と並ぶリーグワーストの通算15個目。攻撃でも1点を追う8回2死一塁、代打田上で勝負をかけたが、一塁の代走城所がけん制アウトに倒れた。秋山監督は「相手のミスを利用して点が取れなかったね」。古巣西武からも2失策に暴投、ボークと“アシスト”があっただけに悔いが残る。「あ~、もう1点!」と大きな声で本音を吐き出した。

 これで昨年から西武には9戦連続で勝っていない。試合後の緊急ミーティングで秋山監督は「力がないわけではない。自分たちを信じてやろう!」と言った。昨年王者に苦手意識を持つには早すぎる。小久保主将も「未然に防げるものは防ぎ、ミスは恐れずやり続けるしかない」と必死に気持ちを切り替えた。【押谷謙爾】

 [2009年4月29日10時1分

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