<西武7-2ソフトバンク>◇29日◇西武ドーム

 ソフトバンクの西武アレルギーが治らない。1点をせめぎ合う投手戦で、4割男の長谷川勇也外野手(24)が攻守にブレーキ役を演じた。6回2死満塁での見逃しを含め3三振。7回2死走者なしから2打席連発のボカチカに「敬遠策」をとったものの、長谷川の痛恨の失策を引き金に5失点した。3連敗で借金は今季最多タイの4。昨年から西武に10試合勝てず、12年ぶりの同一カード2ケタ未勝利となった。

 初めて開幕から1軍で戦う3年目の長谷川には悪夢のような試合だった。7試合連続で打率4割をキープ。新生ホークスの象徴だった若武者が連敗の引き立て役になった。得点圏に走者を置いた4回2死一、三塁と6回2死満塁で三振。「甘い球がいくつかあったけどタイミングが合わなかった」。試合前まで得点圏打率5割4分5厘の男が顔をゆがめ、悔しがった。

 悪い歯車は続く。1-2とした直後の7回2死。ベンチは2打席連発のボカチカに敬遠気味の四球を選択し、銀仁朗と勝負した。左前への当たりを長谷川がグラブからこぼし、打球を見失った上、つかみそこね、1点を献上。「そらした後もしっかり処理しないといけなかった。慌てました」。このミスを契機にリリーフの神内が連打され、5失点。長谷川は「今日の負けは一番悔しい。僕のせいで負けた。(先発の)ホールトンに申し訳ない」と声を絞り出した。

 チームは3試合連続で失策を記録し、そのすべてが失点につながった。23試合目での100失点超えは球団名変更後の最速。西武も4回に四球に失策、暴投と2戦連続で“アシスト”してくれたが、ものにできない。秋山監督のぼやきも2日続けてほぼ同じだ。「ミスが点になっている。(相手のミスからの)つながりがなあ…。なんで西武に勝てんのだろう。止めないと。流れをつくりたいね」。西武には昨年から10戦未勝利で、12年ぶりのことだ。

 西武にシーズン勝ち越しは30年間で3度だけ。弱小時代はかもにされてきたが、近年は違うはず。苦手意識のひと言では片付けられない。松中、小久保も元気がなく、辻のバント失敗など長谷川だけを戦犯扱いにできない。秋山監督は「後は点を取れるか、ちゃんと守れるか」と言い残した。【押谷謙爾】

 [2009年4月30日10時35分

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