<楽天8-4オリックス>◇3日◇Kスタ宮城
パ・リーグ首位の楽天はオリックス5回戦(Kスタ宮城)で逆転勝ちし、今季初の5連勝で球団創設以来最多の貯金7とした。野村克也監督(73)の采配がズバリ当たって、8回の7得点のビッグイニングを呼び込んだ。8回、同点にしなお1死二、三塁。三塁走者の草野に代走小坂を起用したのが的中した。それをきっかけに一気攻撃で、これまた球団初となる3試合連続で5点以上のビッグイニングをつくった。楽天の快進撃は、もう“春の珍事”ではなくなってきた。
いつもはポケットに入れるウイニングボールを、野村監督は歓喜の三塁側スタンドのファンに向かって投げ込んだ。しかしボールはネットに当たってベンチ前にポトリ。「誰かに投げてもらえば良かったな。肩が上がらないんだよ。七十肩でよ」と毒づいた。ファンサービスの演出は失敗したが、本業の演出はズバリさえ渡った。
◆場面
1点を追う8回、四球と安打で1死一、二塁としオリックス先発岸田をKO。2番手の加藤から山崎武が左翼フェンス直撃の同点適時二塁打。なお1死二、三塁とし、三塁走者の草野に代走小坂を起用した。中村紀の二ゴロ(記録は野選)で小坂は好判断で本塁突入し、勝ち越しのホームを踏んだ。
絶妙な「代走小坂」の采配だった。中村紀には自由に打たせる一方、小坂にはバットに当たったらスタートする「ギャンブルスタート」の指示を出した。走塁センスがある小坂だから出せるサイン。小坂も期待に応えた。
小坂の走塁で流れをつかんだ後は一気の攻撃。8番リックに今季1号3ランが飛び出すなど5安打を集中し、スコアボードに試合を決める「7」を刻んだ。野村監督は「スタートが良かったし、スライディングも良かった」と小坂の技をたたえ、「打つべき手は打っておかないといかんね。野球は何が起こるかわからない。打つべき手を打っておかず後悔することが往々にしてあるけど。小坂に代えておいて良かったわ」と話した。
お立ち台に立ったヒーロー山崎武は「普通、あんなところで代えないよ。監督の交代がすべてじゃないの?
今日は監督が勝ちをたぐり寄せた」とびっくりのズバリ采配だった。オリックス先発陣の柱となる岸田を攻略しての5連勝。貯金は球団初の7に伸びた。1回は無死一塁から中村真がエンドランを決め先制につなげるなど、タクトを振れば選手は応えた。
文句のつけようがない展開で、野村監督は「悪い予感ばかりしてな(負けの)覚悟を決めていた。指揮官がそれでは失格なんだけど。まあ、失格だからクビなんだけど…」と自らのボヤキネタに終始した。「今まで通り、弱者の戦術でいきますよ。春の珍事は長い方がいい」と言う一方で「3試合5点以上(のビッグイニング)なんて、巨人でもないんじゃない?
今、楽天は歴史をつくっている段階だよ。風雪5年。今年は基礎づくりを卒業する年だから」。野村監督は確かな力を感じている。【金子航】
[2009年5月4日9時8分
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