<巨人3-2横浜>◇6日◇東京ドーム

 巨人の2番手で8回から登板した山口鉄也投手(25)が、好リリーフでサヨナラ劇をおぜん立てした。直球、スライダー、チェンジアップと持ち球3種を淡々とコーナーに集めた。2イニングを6人で退け4勝目。ハーラーダービー単独トップに立ち、昨年から続く自身の連勝を12まで伸ばした。それでも「1人1人、必死に抑えようと。目の前の1アウトを取る。それだけです」と相変わらず控えめだった。

 今季はすでに16試合目の登板。でも「疲れた」とは絶対に言わないと誓っている。WBC候補合宿でチームを離れる直前の2月中旬。宮崎キャンプ宿舎に、山口あての小包が届いた。箱を開け驚いた。スイスの名門、フランク・ミューラー社製の腕時計。送り主を見れば、オリオールズに移籍した上原だった。

 上原は淡々と仕事に徹し、マウンドを降りればシャイで謙虚な山口が好きだった。「ぐっさん(山口)には頑張って欲しいから」と、自身の米国キャンプ直前で多忙の中、時計店に出向き、住所を調べて代表合宿に間に合うようプレゼントした。「あんなに素晴らしいものを、ボクなんかのために」(山口)。丁寧に謝意を述べ大切に身に付けている。巨人を支え続けたエースからの、期待を込めての粋な餞別(せんべつ)。思いをしっかり受け止め、マウンドで表現している。

 原監督も独特の表現で左腕を評した。「地味なポジションだけど、『山口城』というテリトリーを守って、しっかり戦ってくれている」。難攻不落の“城主”が巨人のゲームの終盤を支えている。【宮下敬至】

 [2009年5月7日8時42分

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