<中日6-3ヤクルト>◇12日◇岐阜

 雨の降る長良川球場で中日岩瀬仁紀投手(34)がいつもと同じ仕事をした。9回のマウンド。ヤクルトの3番青木を空振り三振、4番デントナを左飛。そして5番ガイエルをカウント2-2から143キロ直球で空振り三振に仕留めた。史上4人目となる通算200セーブを達成した。「とりあえずホッとした。よくここまで積み上げたかなと思う。毎年積み上げてきた結果ですね」。笑顔で勝利の余韻に浸った。

 苦しんだ。節目まで残り7セーブで迎えた今年。早ければ4月中旬にも記録を達成するはずだったが、チームは4月に10勝13敗。負けが続いて1週間出番がなかったかと思えば、7連投もあった。4月25日の巨人戦(東京ドーム)で代打亀井にサヨナラ弾を浴び、次の登板の同30日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)ではわずか1球での危険球退場も味わった。それでも「こんなに極端なことはなかった。でも、これは今後のいい教訓にしないといけない」と落ち込むことはなかった。

 切り替えの上手さはチーム随一。「打たれた試合のほうが疲れているからよく眠れる」。どんな試合も翌日には引きずらないことで、04年から守護神を守ってきた。歴代1位はヤクルト高津の286セーブ。まだまだ超えるべき壁がある。「これからも1つ1つ積み上げてきたい」とストッパーへの強いこだわりを見せた。【桝井聡】

 [2009年5月13日8時10分

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