<西武2-1中日>◇20日◇西武ドーム

 中日が痛恨のスクイズ失敗で5割復帰を逃した。1-1の延長10回1死一、三塁で荒木雅博内野手(31)のバントは小飛球となり、最悪の併殺。勝ち越し機を逃し、流れを失ったその裏、新セットアッパー浅尾がサヨナラ打を浴びた。今季2度目のサヨナラ負けで、連勝は4でストップ。22日からのロッテ2連戦(千葉)で出直しを図るしかない。

 悪夢のようなスクイズ失敗だった。カウント1-1からの3球目。荒木のバントは三塁ファウルグラウンドへの小飛球となった。捕手が楽々と捕球し、三塁転送。三塁走者藤井があわてて帰塁したが間に合わない。1-1の延長10回1死一、三塁。併殺で絶好の勝ち越し機を逃し、その裏守護神岩瀬を投入する必勝パターンが崩れた。3イニング目に突入した浅尾がサヨナラ打を浴びた。

 落合監督は痛恨の場面について語らなかった。球場入り時と同様にマスク姿でベンチ裏から姿を見せ「マスクしているときは聞かないほうがいいよ。みんなマスクしてきて。寄りつきたくない」と話しただけ。代わって川相内野守備走塁コーチが「今日の展開を見ていれば、何としても走者を進めて勝ちたいという意図でしょう。当然ああいう作戦もある。荒木本人が一番悔しいはず」と話した。

 今季40試合目にして初のスクイズだった。4連勝中の中日は、本来の攻撃力を取り戻したわけではなかった。交流戦直前の横浜3連戦での得点は計7点止まり。前日19日の西武戦で11安打7点と奮起したが、この日の得点はブランコの一発による1点だけだった。2回、5回、7回と3度送りバントを成功させたが得点につながらない。延長10回に入り、封印していたスクイズをついに解禁した。今季初の5連勝を逃した裏には、深刻なタイムリー欠乏症がある。

 スクイズ失敗の荒木は言い訳を拒んだ。「ボールが高かった?

 そんなこと言っている場合じゃない。完全にボクのミスです。ボクのせいで負けました」。交流戦は1勝1敗。重苦しい空気は、22日からのロッテ2連戦で晴らす。【村野

 森】

 [2009年5月21日11時18分

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