ソフトバンクのセットアッパーの一角を務める摂津正投手(26)が球団史に残るルーキーになる。「マツダオールスターゲーム2009」の開催概要が29日、発表され、摂津はチームの新人でただ1人ノミネート選手(中継ぎ部門)に選ばれた。

 「本当に僕が入っているのですか?

 (球宴を)考えたことはありません」。大きな目をさらに大きくし信じられないといった表情だったが、リーグ最多23試合登板、最多タイの12ホールドポイントと今季の実績は十分だ。ホークスの新人投手がファン投票で球宴出場となれば、89年の球団福岡移転後、初めてとなる。

 偉業達成の可能性を感じさせるフル稼働ぶりだ。春季キャンプでセットポジションに変え、ボールの出所が分かりにくいフォームで打者をほんろう。さらにJR東日本東北時代に連日100球を投げていたスタミナを武器に、チーム46試合の半分に登板する。このペースなら年間72試合と、06年に藤岡が樹立したパ・リーグの新人最多登板記録(62試合)を上回る計算だ。4戦連続登板など過酷な労働条件にも平然としたもの。摂津「シーズンの半分?

 頑張ります」と記録にも興味を示すことはない。

 端正なマスクも人気があり、本拠地で登板が告げられるとスタンドから黄色い声が飛ぶ。6月中旬にはトークショーにも“デビュー”する予定で、球団側も売り出したい選手の1人だ。それでも摂津は「今は目の前のことで精いっぱいですから」。決して大言を吐かない謙虚な性格も人気の理由。周囲の期待は、ファン投票の数字に反映されるはずだ。【押谷謙爾】

 [2009年5月30日11時5分

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