<ウエスタン・リーグ:中日8-1ソフトバンク>◇25日◇ナゴヤ

 ついに役者がそろった!

 左肩の張りでファームで調整を続けてきた中日チェン・ウェイン投手(23)が25日、実戦復帰し4回1失点の好投をみせた。またファーム暮らしが続いている中田賢一投手(27)も5回を無四球無失点。23日には夏男・山本昌投手(43)も同ソフトバンク戦で好投しており、首位巨人追撃に向けて、ようやく先発投手陣が出そろってきた。

 格が違った。チェンがファームのソフトバンク打線相手に、付け入るスキを与えなかった。4回途中で降板し、左肩の張りを訴えた5月30日のソフトバンク戦以来のマウンドで、テンポよくアウトの山を築いた。

 「初回を0点に抑えられたのが一番良かった。まだ完ぺきではないけど、下半身の使い方もだいぶ良くなってきた。肩の痛みや不安もないし、普通の感じで全力で投げられた」

 与えたヒットはわずかに2本。直球の最速も149キロと、ベストの状態と比べても遜色(そんしょく)はない。当初は3イニングの予定だったが、球数が少なく、急きょ1イニング追加で登板。その4回に、甘く入った直球で荒金に左翼へのソロ本塁打を許したが、失投はこの1球だけ。4回を投げ46球、被安打2、無四球と上々の内容で、1軍昇格に向けて存在を力強くアピールした。

 小林投手コーチも「きょうも(球数)制限がなければあと2、3イニングはいけた。明日の張りを見てみないと分からないが、もう大丈夫でしょう」と、OKサイン。チェンも「こんなに掛かるとは思わなかった。昇格はコーチが決めることだけど、(登板を)言われれば全然いけると思う。1日も早く1軍に戻りたい」と復帰を熱望しており、状態に問題がなければ、近日中にも1軍からお呼びが掛かりそうだ。

 1軍での復帰登板は、早ければ6月30日からの阪神戦になる可能性がある。チェンは「相手はどのチームでもいい。去年は巨人だけ(3勝2敗、防御率1・87)だったけど、今年はほかの5チームもしっかり抑えたい」と話しており、待ちわびた復帰戦のマウンドで、巨人反撃への第一歩を踏み出す。【福岡吉央】

 [2009年6月26日11時16分

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