<広島1-2中日>◇28日◇マツダスタジアム

 日曜日に強いのは川井だけじゃない。5番和田一浩外野手(37)が決勝の19号ソロで強力援護だ。4回、4番ブランコの21号同点弾の余韻もさめやらぬ第2打席。広島前田健のカウント0-1からの2球目をマツダスタジアム左翼席最上段に高々と運んだ。球場左翼奥に山陽新幹線が走っているが、打球にあわせるように入ってきた先頭車両に向かって伸びた2者連続130メートル弾。「4回だったんで決勝弾という感じじゃないですよ」と控えめに喜んだ。

 課題のカーブだった。ここ数試合、安打や本塁打は出ていても緩い変化球に対応し切れていなかった。試合前、右投げの鶴田打撃投手にスローカーブを多投してもらった。ギリギリまで引きつける練習を繰り返し、イメージをふくらませた。この日初めて投じられた108キロの狙い球。思い切りたたきつぶした。「待っていたわけじゃないけど、最近ずっと緩い球が打ててなかったんで。練習が実ったかな」。芸術的なひと振りを振り返った。

 3週連続で日曜日にアーチをかけた。6本塁打、14打点、打率4割をマークしており、いずれも曜日別でベストの成績だ。日曜日に投げることが多い川井を後押ししていることについては偶然を強調。「川井が投げると打つ?

 自分が打ってる感じはないです。打線は援護していると思いますけどね」と受け流した。

 観衆が多いほど燃えるタイプ。週末のこの日は2万8049人のファンがスタンドを赤く染めていた。30日からは本拠地阪神戦が待っている。ホームの大観衆の前で、和田はまた打つ。【村野

 森】

 [2009年6月29日11時18分

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