<日本ハム6-5ロッテ>◇11日◇札幌ドーム

 日本ハムが1点差ゲームをものにして、男女の熱い空間を演出した。ロッテに2度同点に追いつかれながらも、7回に28歳独身の小谷野栄一外野手が右前へ決勝適時打を放って競り勝った。スタンドには、男女の出会いを演出する「KONKATSUシート」が史上初めてお目見えした一戦で、選手もハッスルしてカップルたちを盛り上げた。

 熱い思いを伝える男性の口説きも、目がハート形をした女性の弾んだ会話も、小谷野の快音が一瞬だけストップさせた。2度同点に追いつかれて迎えた7回1死三塁。ロッテ伊藤の初球ストレートを右前に運ぶ決勝打。「次につなげようという思いでした。出会いに携われたならよかったです。ファン同士がくっつくのはうれしいですね」。お立ち台に上がった28歳独身ヒーローは「自分の婚活?

 …がんばります。いつも応援ありがとう。愛してるよ」と“おあつい”一戦を締めくくった。

 バックネット裏のスタンドに男女が交互に並ぶ珍しい空間は、選手の注目の的でもあった。試合前のウオーミングアップ時には、選手が集まってグラウンドから“ウオッチング”。小谷野は「本当に交互になってるのかなぁって、みんなで見てました」。席替えタイムで盛り上がりを見せた3回には、こちらも独身田中の右翼線二塁打から4連打。糸井の適時三塁打などで一挙4点を奪った。

 「アピールタイム」が終了し、男女の心拍数が最高潮に達した5回には、稲葉が右越えの11号ソロ。右翼の定位置からはバックネット裏の「KONKATSUシート」がよく見えるだけに「途中(座席を)シャッフルした形になって気になって仕方がなかった。(出会いも)何事もきっかけだからね。打てるのも打てないのもきっかけ」。この日誕生したカップルの愛と同様、打撃の調子を“ヒートアップ”させていくことを誓った。

 5連敗の後、本拠地に戻って連勝。小谷野を今季3度目の2番に据えるなど、前回唐川に勝利した先月27日ロッテ戦(千葉マリン)とまったく同じオーダーを組んだ梨田監督は「勝ってるときは(打順を)替えなくていい。今日は負けパターンだったけど、勝ててよかった。(婚活イベントが)盛り上がってよかったね」。若い男女と心強い選手たちがつくりだした“劇アツ”勝利に、目尻を下げていた。【本間翼】

 [2009年7月12日9時52分

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