<ソフトバンク1-9日本ハム>◇15日◇福岡ヤフードーム

 マイクを前に、最後も「直球」で締めた。11勝目を挙げた日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)がヒーローインタビューで電撃発表だ。「これ、場内に聞こえてますか?」と聞き、流れていないことを知ると「じゃあ、やめようかな」。一瞬の間を置き、苦笑して明かした。「2人目の子どもができました」。

 前回8日の西武戦以前から吉報は知っていたが、紗栄子夫人の体の状態にも配慮し、チャンスを待っていた。「どうしても発表したいと決めていた。ヒーローで言いたいと思っていた」。札幌で待つ愛妻へ、有言実行するための大一番だった。

 9回を4安打1失点で9奪三振。2回に松中に150キロ速球を右中間席へ運ばれ、福岡ドーム7試合、49イニング目で初被弾も「完全な力負け」と切り替え、仕切り直した。6月26日ロッテ戦以来の1勝。その直後に下痢による体調不良もあり、2日楽天戦から2試合、白星に見放された。「体調を崩し、自分に自信がなかったけれど、家族のためにしっかり投げたかった」との自覚で仕事をした。

 最多勝でマッチレースが続く涌井にひけをとらない、快投で並走状態を維持した。「せっかく勝ったのにもったいないな、というのもあります。今日、投げるのを知っていましたから」と、もう1つの発奮材料にした。親指から血を流しながらの完投。首位攻防3連戦で1勝1敗、ライバルとの対決もタイとし、1・5ゲーム差に縮めた。「次は女の子がいいかな…。でも男の子だったらかわいそうなので、どっちでもいいです」。日本ハム、家族も支える大黒柱は、どこまでも完ぺきだった。【高山通史】

 [2009年7月16日8時44分

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