<横浜7-1巨人>◇20日◇横浜

 巨人の尻に火がついてきた。切り込み隊長の坂本勇人内野手(20)が腰の張りを訴えて欠場した横浜戦に負けて2連敗となり、ともに勝った2位中日に2・5ゲーム差、3位ヤクルトに4ゲーム差にまで迫られた。坂本の代役遊撃手・寺内、代役1番鈴木とも無安打で穴を埋められなかった。坂本の連続出場は226試合で止まったが、独走状態にあった巨人の勢いも止まりつつある。

 今季初めてと言っていい。首位巨人が最下位の横浜に攻守にわたって圧倒された。前回完封勝利の先発東野が立ち上がりからリズムに乗れず、5回5失点で降板した。打線は横浜ウオーランドに6回まで無得点に封じられ、7回に1点を返すのが精いっぱいだった。ここ5試合は1勝4敗と失速。体力的にも厳しい夏場を迎え、チームは踏ん張りどころを迎えている。

 1週間前とは別人のような東野の乱調について、原監督は「先制、中押し、ダメ押しと、一番良くない点の取られ方。今日は弱気の東野が出ましたね。もっと覚悟を決めて、度胸を決めてマウンドに上がってほしい。彼はもうそれだけの位置付けにいるんだから」と、厳しかった。打線に関しても「このところつながりませんね」と、ため息交じりに話した。

 坂本が227試合ぶりに先発メンバーから消えた一戦。結果を見れば、攻守のキーマン不在の影響は小さくなかった。坂本の代わりに1番に座った鈴木が3打数ノーヒット。クリーンアップの前に走者がたまらず、3番小笠原の3安打猛打賞の固め打ちを大量得点につなげることができなかった。遊撃を守った寺内も4回無死一塁の好機で併殺打に倒れるなど無安打に終わった。

 坂本がすぐに復帰できるかどうか、この日の段階では不透明。重症ではないとしても、長いシーズンを見据えた“積極的休養”を与える可能性もある。篠塚打撃コーチは「いるメンバーでやらないとしょうがない。(坂本不在なら1番は状態のいい選手を使っていくのか?

 の問いに)どのくらいかかるか分からないけど、そうなるでしょう。(鈴木)尚広の今日のバッティングじゃね…」と、打順のやりくりに頭を悩ませた。

 4月から3カ月連続で月間の勝ち越しを決め、ここまで危なげなく首位を守ってきたが、今月は8勝8敗1分けで貯金ゼロ。気が付けば2位中日が2・5ゲーム差まで迫ってきた。原監督は「明日は(打線が)つながるでしょう」と、正念場だからこそ前を向く。球宴まで残り2試合を、何としても連勝で締めくくるつもりだ。【広瀬雷太】

 [2009年7月21日8時47分

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