<阪神5-4横浜>◇28日◇甲子園
ありがとう、関本です!
虎が後半戦開幕を劇的に飾った。10回裏2死一、二塁で2番関本賢太郎内野手(30)が中前へサヨナラ打を放った。直前に1番赤星が敬遠四球で歩いたことで「(サヨナラ機が巡ってきて)ありがとうという気持ちだった」とあくまで主役を狙っての打席だった。貪欲(どんよく)な姿勢はさすが関西人。サヨナラは今季6度目、関本は6月28日横浜戦(甲子園)以来2度目だった。後半を最高の形で飾り、借金13に減った。さあ虎よ、ほんまに反撃頼みます。
地響きが鳴りやまなかった。二塁ベース付近、関本が満面の笑みでナインを待ち構えた。手荒い祝福がスタートした。新井が飛びつき、しがみついて離れない。みんな笑っていた。虎の後半戦が最高の形で幕を開けた。
目の前で1番赤星が敬遠された。その光景をジッと見つめた2番打者は「ありがとうございます、と思いながら打席に入りました」。奈良県生まれの30歳は、おいしい場面での登場を喜ぶ余裕があった。
4―4で迎えた10回2死一、二塁だった。いつも通りバットを短く持った。カウント1-2。横浜木塚の内角シンカーにバットをぶつけた。打球はジャンプする二塁手藤田の上を越えた。4時間10分の熱戦にケリをつけた。二塁からサヨナラのホームを踏んだ大和を見つけると「ナイスラン!」と思わず感謝した。
首位巨人と18ゲーム差。クライマックス圏内の3位ヤクルトにも13・5ゲーム差をつけられて迎えた後半戦開幕戦。試合前、真弓監督がナインに向けて逆襲を宣言した。「今の数字に恐れることなく、立ち向かっていこう」。沼沢球団本部長も出席した異例のミーティングから劇的勝利への道が始まった。
3番鳥谷、4番金本、5番新井。シーズン開幕時のクリーンアップに戻し、原点に戻っての反攻を誓った1戦。「新井さんだけじゃなく、みんな期するものがあった。勝てて良かった」。関本はホッと胸をなで下ろした。
体は悲鳴を上げていた。17日からの巨人3連戦(東京ドーム)中に右足内転筋に違和感を覚えた。21日ヤクルト戦(甲子園)が雨天中止になった際には室内での全体練習を回避したほどの症状。試合前にも久慈守備走塁コーチが心配していた。「ずっとレギュラーとして出ているから、それがきているのかも」。それでもこの日の試合前練習では右足にテーピングは巻かず、いつも通りに振る舞った。試合後も「大丈夫、大丈夫。出るからには大丈夫」と力を込めた。
今季2度目のサヨナラ打。お立ち台では「甲子園美化委員長」らしい言葉も残した。「最高です!
10時を過ぎてもファンの方々が残ってくれていた。どうしても勝ちたかった。思いきり風船を飛ばして、歌を歌って、忘れずに(ゴミを)持って帰って下さい!」。最後の最後に笑いを誘い、またファンを喜ばせた。これで4位広島とは0・5差に接近し、29日にも5位脱出が見えてきた。「後半戦はしっかり巻き返してきたい」。その言葉が頼もしい。【佐井陽介】
[2009年7月29日11時24分
紙面から]ソーシャルブックマーク




