<広島6-7横浜>◇7月31日◇マツダスタジアム

 「オバQ」が怒った。再逆転した直後の9回裏。抑えの横浜山口俊投手(22)がマクレーンに右前打され、代打の嶋に四球を与えた。田代富雄監督代行(55)が三塁側ベンチから珍しくマウンドに向かった。顔を紅潮させ「もっと真っすぐで勝負しろっ」と野太い声で怒鳴った。我慢強い指揮官の心のビンタだった。1点こそ奪われるが逃げ切り、連敗を5で止めた。

 田代代行

 ドタバタ、ドタバタ。(山口には)気合を入れた、入れた。同じように四球を出しやがってな。いかに余計なことを考えすぎているか。打者に向かっていけばいいんだよ。

 山口は3日前の7月28日阪神戦(甲子園)で、9回裏に1点リードを守れず、延長でのサヨナラ負け。同16日の広島戦(マツダ)でも1点リードを守れずイニングの途中で降板させられている。絡むのはいつも四球。田代監督代行は22歳の守護神に、闘争心を思い出させようとしていた。

 山口は「同じ失敗はできないと考えすぎていたけど、自分らしさを出していこうと思う」と話した。

 [2009年8月1日9時22分

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