<阪神7-4巨人>◇2日◇甲子園

 俊足ゆえの悲劇だった。阪神赤星憲広外野手(33)が痛恨のアクシデントに見舞われた。初回だ。左前に流し打って、反撃の口火を切った。続く平野の左前打でエンドランのサインに応えて、一気に三塁を陥れた。さらに左翼ラミレスが打球をファンブル。わずかなスキを見逃さずに、本塁を狙った。この走塁センスが悪夢を呼んだ。本塁でのクロスプレーで、阿部と激突。赤星の左ひざはもろに相手の体重を受けた。

 不安げに見守る首脳陣に「ひざの外側が痛い」と訴えたという。自力でベンチに戻ることはできず、担架で運ばれた。逆襲のホームは踏んだが、チームにとって、あまりにも痛い負傷だ。

 そのまま途中交代した赤星は車いすに乗って、クラブハウスに移動。負傷の瞬間から、苦悶(くもん)の表情が消えることはなかった。左ひざには何重にもテープが巻かれ、アイシング処置されていた。その後、病院に直行。真弓監督は沈痛な様子で「(今後は)まだ分からない。3点を取り返す勢いをつけてくれたのも、ああいういい走塁を見せたからなんだけど…。今後のシフトは(赤星の)状態次第」。3日に精密検査を受ける予定で、その結果を受けて登録を抹消するか検討するが、長期離脱を強いられる可能性もある。

 後半戦の6試合を終え、5勝1敗と最高の再スタートを切ったが、素直には喜べない。関本、赤星と攻撃のキーマンが相次ぐ負傷。桜井や平野、大和らを代役に、総力戦でしのぐしかない。反撃態勢に入った真弓阪神に次々と試練が訪れる。【田口真一郎】

 [2009年8月3日12時12分

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