<ロッテ0-1西武>◇11日◇千葉マリン

 ロッテのボビー・バレンタイン監督(59)の消極的な采配が、涌井の完封をアシストした。苦手涌井を攻略する最大のチャンスは、1点を追う7回だった。1死一、三塁から9番根元に強攻を指示したが、146キロの内角直球に空振り三振。8日に1軍昇格したばかりで速球の対応に苦戦していた。それだけにスクイズで同点という作戦もあった。

 バレンタイン監督も「カウント1-2か1-3になればやろうと思ったが、2-2になったのでやめた。ヒットを打ってくれると思った」と振り返った。もともと小技がうまい選手。好調涌井のリズムを崩すためにも、勝負に出る積極性が必要だった。さらに四球で2死満塁とした際も、3打数無安打の竹原をそのまま起用。本来、投手の右、左に応じ打者も右、左で代えていくが、なぜかベンチの左の橋本将を代打で起用しなかった。結局、竹原が二ゴロに倒れ無得点で、1点差の惜敗。バレンタイン監督は「涌井は13勝も挙げているような投手ですから、他チームも手を焼いているように優れた投手」と、まるで人ごとのように振り返っていたが、後味の悪い試合となってしまった。【鳥谷越直子】

 [2009年8月12日9時9分

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