<楽天4-3ロッテ>◇14日◇Kスタ宮城
マー君が07年以来2年ぶりの10勝でプロ通算30勝到達だ。楽天田中将大投手(20)がロッテ戦に先発し、8回7安打2失点8奪三振の粘投。初回に自身初の1イニング2被弾をしたものの、そこから立ち直って自身2度目の2ケタ勝利につなげた。高卒3年目での30勝記録は05年の日本ハム・ダルビッシュ、西武涌井以来。楽天は3位西武に2・5ゲーム差に迫った。
いやな角度の打球に、一瞬肝を冷やした。田中は1点リードの8回2死、大松の打球を必死に目で追った。本塁打性の角度で上がったが、結果は平凡な右飛。それでもマウンドを降りながら「危ない」と口にすると、ベンチに帰るまで「危ない、危ない、危ない」と3連発。「先っぽでバットが折れたのに、あそこまで飛ぶのかと思いました」と首をすくめた。散々苦しめられてきた「魔の8回」を切り抜け、ベンチに戻ったころにはすっかり笑顔になっていた。
立ち上がりの被弾が真夏の“肝試し”の怖さを倍増させていた。1回2死からサブロー、大松に人生初の2者連続アーチを浴びた。追い風にも乗った打球は、いずれも左翼フェンスをぎりぎり越えた110メートル弾。「サブローさんのはもしかしたらと思ったけど、大松さんのは正直びっくりした」。前日までは規定投球回数に到達した投手の中で、被本塁打がもっとも少なかった。不測の事態にマウンド上で表情を失った。それでも自ら立て直せるのが、今の若き柱の真の実力。2回以降はピンチらしいピンチも招かず、8回まで無失点。プロ3年目で培ったタフな精神力が支えとなった。
課題は自力で克服した。立ち上がりから制球に苦しんだと判断すると、4回からは走者なしでもセットポジションで投げ始めた。「自分からそうしました。振りかぶった時にタイミングが合わなかったので。スライダーもフォークも放すのが早くなっていた。前はもう少し前で放せていた」と気が付いた。日ごろのブルペン投球でもベテラン投手並みに課題を持って投げるため、自然と不調の原因が分かる。先発投手の大きな資質でもある修正能力の高さも見せた。
白星に見放された2カ月は過ぎ、7日に続く2連勝、2年ぶりの2ケタ勝利で通算30勝も達成した。3位西武にも2・5差に迫り、野村監督は「2回以降はテンポもよく、安心して見ていられた。借金4?
5割に戻せば、連敗しなければチャンスはある」と上機嫌だった。1つの区切りをつけた田中だが「通過点ですから。残りはもちろん全部勝つつもりで投げます」と言い切った。負けて反省する時期はもう終わった。残り1カ月半は、勝ちながらさらに育ち、伸びる時期だ。【小松正明】
[2009年8月15日9時16分
紙面から]ソーシャルブックマーク



