<広島2-4中日>◇18日◇マツダスタジアム

 2位中日は球団新の広島戦12連勝で、巨人をピタリ追走する。

 勝利の瞬間はベンチで見届けた。最後の打者が遊直に打ち取られた瞬間、中日チェン・ウェイン投手(24)は笑顔でベンチ前に飛び出し、ナインを出迎えた。広島相手に8回3安打無失点の圧巻の投球。「結局、0点で抑えられたことは良かった。何とか踏ん張ることが出来ましたね」とはにかんだ。

 「ドクターゼロ」襲名だ。広島戦の無失点をまた伸ばした。この日は8個のゼロを積み重ねた。昨年7月22日(ナゴヤドーム)の2回から27イニング連続無失点。広島打線を全く寄せ付けない。プロ入り以来、広島戦で黒星はついていない。「相性が良い?

 たまたまですよ。特に理由はないです」と気にするそぶりはないが、この快投でリーグ1位の防御率を1・30とし、球団新となる広島戦12連勝の原動力となった。

 課題も残った。この日は初回から順調に飛ばしていたが、中盤から失速。6回に満塁のピンチを迎えた。「暑さでバテたと思う。満塁で井端さんにもう少しテンポを落とせと言われた。もっとペースを考えないと」。後続を打ち取り、最大のピンチを脱したが、反省を忘れなかった。7月17日の横浜戦(横浜)からこれで5連勝。昨季と並ぶ7勝目を挙げた。「チームが優勝するために頑張りたい。これからも思い切って投げたい」と前を見据えた。首位巨人と1・5ゲーム差をキープ。逆転Vへこの男の力は絶対不可欠だ。【桝井聡】

 [2009年8月19日9時43分

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