<楽天5-3オリックス>◇21日◇Kスタ宮城

 楽天がホントに乗ってきた。田中将大投手(20)が8回途中5安打3失点(自責2)と好投し、自己最多タイの11勝目をマークした。チームは今季初の6連勝で、6月29日以来の貯金1。クライマックスシリーズ(CS)争いでも4位西武に1・5ゲーム差とした。

 にっこり笑うには気が引けた。8回途中、ピンチを招いての降板。田中は喜びよりも悔しさに包まれた。勝利の瞬間ベンチでは笑顔を見せたが、お立ち台では「全然だめでした」と開口一番、反省した。自己記録に並ぶ2年ぶりの11勝にも、最後まで満面の笑みとはいかなかった。

 不振の中でもがいた。前回14日の登板ではワインドアップのタイミングが合わず、4回から走者なしでもセットポジションで投げた。この日は1回からセットポジション。「全部だめだったんで」と説明した。8回には2四球でピンチを招き、リリーフ陣の力を借りた。「みなさんの助けのおかげ。連勝を止めなくてよかった」と、静かに振り返った。

 体調管理に人一倍気を使う男に、前カードの対戦相手だった日本ハムのインフルエンザ騒動などどこ吹く風だ。20歳の食べ盛り。外食に行く機会も多いが「焼き肉だったらカルビは食べません。味付けも塩だし」と、カロリー過多には気をつける。北海道の遠征中も、しっかりマスクをつけた。勝負の時期だけに、中5日での先発を望む声は多い。だが橋上ヘッドコーチは疲労の蓄積に「中6日でも厳しいかもしれない」と心配する。万全ではない中、苦しい夏場に先発ローテーションを守り続けられるのは、徹底した自己管理ができるプロ意識があるからだ。

 勝ち運も取り戻した男は8月に入り無傷の3連勝。チームも田中で始まった連勝が、昨年の3月26日から記録した7連勝以来となる6まで伸びた。4位西武に1・5ゲーム差をつけたが、野村監督は「貯金1?

 1つなんて100円みたいなもの。利子もつかん。(岩隈、田中の)2本柱できっちり勝っておかないと」と引き締めた。白星に納得がいかない若者は「これからもっとプレッシャーのかかる試合になる。今日みたいな投球じゃ、自分の力を出せない」と、最後まで反省し続けた。先発の柱に妥協なき向上心がある限り、クライマックスシリーズ進出は、さらに現実味を増す。【小松正明】

 [2009年8月22日9時53分

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