<中日4-7巨人>◇26日◇ナゴヤドーム

 中日先発川井雄太投手(29)はまるで「ラミレス病」にかかってしまったようだった。1回、2死二塁。カウント1-1から捕手谷繁は内角寄りに構えた。だが、左腕が投じた137キロ直球はやや真ん中に入った。打球はきれいな弧を描いて左中間席に着弾。4番ラミレスは失投を見逃さなかった。打球の行方を見守った左腕は、左翼席方向を見つめたまま顔をしかめた。

 もっとも警戒すべき相手だった。今季はこの試合までラミレスとの対戦成績は1本塁打を含む、11打数7安打と打ち込まれていた。この日も初回の本塁打を含め、4打数4安打。これで7月5日の12回戦(ナゴヤドーム)から3試合で8打席連続安打を許しことになる。要注意人物を乗せて、自身初の巨人戦黒星へ突き進んでしまった。

 ラミレス対策が中日投手陣にとって急務だ。前日25日に先発チェンが6回にラミレスに同点弾を浴びて、勝ち星を手放した。チェンもここまで20打数8安打3本塁打と苦手にしている。13勝を挙げている吉見もラミレスには5打数2安打1本塁打。森バッテリーチーフコーチは「ラミレス?

 そりゃ、何とかしないといけない」と話した。

 左腕にとっては勝ち星が遠い。8月6日の阪神戦(ナゴヤドーム)で開幕からの11連勝がストップ。そこから4試合連続で白星に恵まれていない。川井は試合後、「何もないですよ、今日は。投げきれなかったですね…」とコメントした。このままのローテーションで回れば、9月にも巨人との直接対決に登板する可能性がある。次戦こそは「ラミレス病」を克服し、チームに白星を運ぶしかない。【桝井聡】

 [2009年8月27日10時40分

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