中日の守護神岩瀬仁紀投手(34)が7日、残りシーズンのフル回転を宣言した。8日からの阪神3連戦(甲子園)に備え、新潟から空路大阪に移動。残り24戦となったことについて「その先も、当然見据えている。その中で、どうやっていくか」と言い切った。クライマックスシリーズ、さらに日本シリーズまで戦い抜く覚悟だった。

 悲壮な決意だ。8月22日の横浜戦(ナゴヤドーム)で同点の延長11回に1失点してから、3試合連続で救援に失敗している。28日ヤクルト戦(神宮)では、05年に本格的に抑えに固定されてから初めて、勝ち越される前に降板させられた。雪辱を期した翌29日も打ち込まれた。以来登板がなく、気持ちは晴れていない。肉体的、精神的ダメージは大きいはずだが「それは言わない。言ってもしようがないから」。セ・リーグトップ36セーブを挙げているプライドは失っていない。

 個人記録は眼中にない。あと1試合で、前人未到の11年連続50試合登板となるが「最低限というか、それを目標としてきたわけじゃないから。あくまで通過点」と話す。振り返るのは、すべてが終わってからだ。

 阪神戦は今季8戦に登板して1点も取られておらず、7セーブを挙げている。復調への思いと、チーム巻き返しへの使命を胸に、岩瀬は竜の最後のとりでを守る。【村野

 森】

 [2009年9月8日9時46分

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