<オリックス3-2ソフトバンク>◇17日◇スカイマーク

 秋山ホークスの勝利の方程式が崩壊した。9回、1点リードを守護神・馬原孝浩投手(27)が守れず、延長10回に痛恨のサヨナラ負け。通算128セーブを誇る馬原だが、これで3試合連続失点と復調の兆しは見えてこない。試合後、球団新記録となる33ホールドを樹立したルーキー摂津正投手(27)との配置転換の可能性も浮上した。チームも首位日本ハムが勝ったため3・5ゲーム差に広げられ、逆転Vへがけっぷちに立たされた。

 鷹が勝ち方を失った。「守護神」で、また負けた。オリックスナインの歓喜に沸く声を背中に浴びながら、馬原はベンチへと歩を進めた。視線は下を向いたままだった。延長10回裏。1死満塁。後藤に中犠飛を許してのサヨナラ負け。通算128セーブを記録する右腕もショックは隠せない。試合後「何にもない。チームに申し訳ない」と声を振り絞った。

 1点リードを守れなかった。9回裏。先頭の後藤に同点ソロを浴びた。外角の直球だった。馬原の生命線でもあるボールだ。今月11日の楽天戦で6失点してから、3試合連続での失点。勝利の方程式崩壊の予兆だった。

 まさかの黒星に「SBM再編成」の可能性まで浮上した。試合終了直後、ベンチで足を組んだまま、ジッと動かなかった秋山監督が、帰り際に配置転換の可能性を認めた。「勝ちたかったなあ。馬原は本調子ではない?

 ほんとね~。残りが少なくなってきて、1試合1試合が大事な試合。頭痛いなあ。摂津との配置転換?

 考えます」。摂津は64試合目の登板ながら疲れ知らず。この日も1回1/3を投げ、打者4人でピシャリ。球団新記録となる33ホールド目を手中にした。

 試合中にも馬原の配置転換をにおわせるシーンがあった。9回裏、同点に追いつかれた後、2死走者なしの場面だ。オリックスが代打ローズを送ってくると、三塁側ベンチはバッテリーに敬遠の指示を出した。捕手田上は立ち上がらなかったが、明らかにボールゾーンに構えていた。1発の危険があるとはいえ、サヨナラの走者を無条件に出す異例のサインこそ、馬原の不調を物語っている。

 首位日本ハムが勝ったため、差は3・5ゲームに広がった。前夜に和田の2試合連続3被弾KOで連勝が止まれば、この日は緊急事態を告げる必勝リレー崩壊。今季スカイマークでは4戦全敗と苦い夜ばかりだ。残り15試合。「SBM再編」に、秋山ホークスは踏み切るのだろうか。【松井周治】

 [2009年9月18日12時24分

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