<楽天6-7ソフトバンク>◇29日◇Kスタ宮城

 130日ぶりの白星は消えたが、CSへ差し込んだ光明が消えることはない。ソフトバンク和田毅投手(28)が完全復活を告げる力投を演じた。楽天4連戦(Kスタ宮城)の重要な初戦に先発し、6回8安打3失点。左ひじ炎症から復帰した9日ロッテ戦から2戦連続で3被弾KOされた左腕が、本来のキレを取り戻した。「まっすぐの感覚が良くなってきて、相手打者に対して自信を持って投げることができました」と納得の表情だ。

 12球団の本拠地で唯一白星を挙げていない「鬼門」で、気迫の投球を見せた。初回。2死一塁でいきなり天敵との対戦を迎えた。4番山崎武。今季も1被弾するなど、07年以降6本塁打を献上している大砲を、内角への140キロ直球で三振に切ってとった。3回、第2打席での対戦では今季最速となる146キロを計測。「そうなんですか」と、報道陣から初めて知らされるほど、目の前の1球だけに集中していた。

 CSに間に合わせた。2ケタ勝利投手は杉内(15勝)とホールトン(11勝)の2人。「3人目の先発」として、経験豊富な和田への期待は大きい。連続3発KOの屈辱からはい上がってきた左腕の復調に、高山投手コーチも「球のキレ、マウンドを駆け降りる姿など本来の和田に戻ってきた」と喜んだ。

 自分に厳しい和田らしく反省も忘れなかった。「次につながる投球ができたと思っていますが、先発としてはもっと投げないといけない」。左ひじ炎症で3カ月以上離脱し、チームに迷惑をかけた責任は痛感している。5月22日広島戦以来の白星はお預けになったが、和田がチームを6年ぶり日本一に導いてみせる。

 [2009年9月30日11時20分

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