<広島1-5阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 横殴りの雨も苦にしない。負ければCS進出に黄信号がともる状況の中、虎の「マツダ男」がしっかりと逆境をはね返した。能見篤史投手(30)は「勝ってよかった」と今季13勝目に安堵(あんど)の表情を浮かべた。左腕の13勝は球団史上、06年井川(14勝)以来3年ぶり。今季最終登板で、左腕がきっちり結果を残した。

 ピンチらしいピンチは、初回だけだった。2本の安打で2死一、三塁と攻められたが、5番広瀬を遊ゴロ。無失点で切り抜けると、5回まで得点圏にすら走者を進めなかった。「もうやるしかないんでね」と気合十分で臨んだ。6回2死二塁から新井の失策で1失点。マツダスタジアムでの連続無失点イニングは29回1/3(30イニング目)で途切れたが、好相性を誇ったマウンドで今季は4戦全勝となった。「いつも通りの感じで投げた。(マツダで)点を取られていなかったんで」と胸を張った。

 過去4年間の通算成績は9勝。「勝負の年」と覚悟を決めて臨んだ今季だったが、春の沖縄キャンプは2軍スタートだった。先の見えない日々。どん底状態にあった左腕を救ったのは、久保投手コーチの一言だった。「何とか変わろうや」。約2週間後に合流した1軍キャンプでは、久保コーチとひざをつき合わせて話し込み、2つの課題を言い渡された。

 「ひじの角度」と「スライダーの握り」。投球時、球種によってヒジの角度に誤差のあったクセを矯正し、さらにスライダーを従来のものから深く握る持ち方へと変更した。シーズン中のブルペン投球でも常に意識して反復練習。徹底した意識改革が結果となってあらわれ、今季の躍進につなげてみせた。

 8日からは、ヤクルトとの直接対決2連戦。4日の中日戦(甲子園)で勝利投手となった岩田から受けたバトンを、落とすことなく“次走者”の安藤へと渡す。この日は6回でお役御免となったが、登板後もベンチの最前列に並んで、他のナインとともに声を出していた。降りしきる雨でグラウンドコートはびっしょりにぬれていたが、最後まで戦う姿勢を崩さなかった。

 [2009年10月8日12時4分

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