エース不在になりそうな日本ハムに、救世主が登場した。3年目で急成長中の糸数敬作投手(24)が、CSで先発陣入りする可能性が濃厚になった。15日にフェニックスリーグの中日戦(アイビー)に先発。5回を4安打無失点、6奪三振の快投を見せた。「どこで投げろ、と言われても全力で投げたい」との気迫あふれる投球で、チャンスを引き寄せた。

 2軍選手中心の格下相手とはいえ、圧巻だった。立ち上がりこそ「ペースがつかめなくてボケっとしていた」。2回までに2四死球と試合勘が鈍っていたが、3回にギアチェンジした。先頭の中川から3者連続、続く4回新井まで4者連続で三振に切った。今季、本格派から転向した右横手からの直球、変化球のキレも抜群。「腕を振ろうと意識していった」と強気に押す持ち味を発揮した。

 1年間を通じて駒不足だった先発陣で、CSでダルビッシュが登板回避しそうな状況の中で、存在価値をアピールした。沖縄生まれで名産豚アグーの愛称を持つ成長株。吉井投手コーチも笑顔で「アグーは良かった」と合格点を与えた。今季、プロ初勝利を含む4勝を挙げた新星が、暗かったCS戦線に希望の光をともした。【高山通史】

 [2009年10月16日11時44分

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