「新トルネード投法」で巻き返せ!

 先発転向を目指した今季、登板1試合に終わった阪神久保田智之投手(28)に10月31日、緊急メスが入った。首脳陣が見守る中でブルペン投球。85球を投げ終え切り上げようとすると、久保コーチに呼び止められた。

 理由は投球フォームの修正。カーブを投げる際は軽く前傾姿勢となるが、直球を投げる際は力が入るあまり、背中が伸びたままの状態で投球していた。久保コーチは「カーブ投げます、直球投げます、という投げ方になっていた。カーブの方がいい投げ方をしているので、その投げ方で直球も投げろということ」と説明。入団当初ほどではないが、これに近年は控え気味だった久保田本来のトルネードを加え、軽い前傾姿勢を保ったままの「新トルネード投法」が完成した。

 久保田自身も好感触をつかんだ様子で、直後の立ち投げでは「(球が)いきそうな気がします」と笑顔で即答。さらに練習後も「違和感はまったくない。これで(投球フォームを)固めていきたい。感覚的には下に潜り込むような感じ」と話した。現時点では来季も先発入りが期待される剛球右腕。新境地の開拓に成功すれば、念願の先発入りもぐっと近づくはずだ。【石田泰隆】

 [2009年11月1日10時48分

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