来季、2軍から1軍へ配置転換される日本ハム小林繁投手コーチ(57)が14日、右手人さし指を疲労骨折しているダルビッシュ有投手(23)を来年2月のキャンプで2軍からスタートさせる考えを明かした。「(梨田)監督と話してからにはなるが(2軍キャンプ地の)国頭でやらせてもいいかな、と思っている」。シーズン終盤のコンディション不良に配慮して、過度な負担を掛けずスロー調整から始め、1軍へ合流させる完全復調プランだ。

 今季のダルビッシュは登板過多などの蓄積疲労が一因となり2度、出場選手登録を抹消された。中でも深刻だったのが左臀部(でんぶ)痛。それを理由に9月下旬に出場選手登録を抹消され、公式戦はそのまま登板できずに終了。ポストシーズンも、患部に負担を掛けない急造フォームで1日の巨人との日本シリーズ第2戦で先発するのが、精いっぱいの状況だった。同シリーズ終了後には、右手人さし指中節骨(ちゅうせつこつ)近位部の疲労骨折も判明した。

 自主トレ期間中は、静養に充てるダルビッシュにほぼ任せる予定。年明けに行われるスタッフ会議で、トレーナー陣も交えて意見交換をし、来季へ向けた対応を協議する。小林コーチは「ダルはチームだけのものじゃない。球界の宝」と力説。将来性を重要視するからこそ、周囲からの重圧も少ない2軍でのスロー調整を提案する考えだ。最終的には本人の意向も考慮されて決まる。キャンプ2軍スタートとなれば、新人イヤーの05年以来5年ぶりになる。【高山通史】

 [2009年11月15日9時27分

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