プロ野球コンベンションが18日、東京都内で開催され、日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が07年以来2度目のパ・リーグMVPを受賞した。右手人さし指の疲労骨折などシーズン終盤の体調不良を配慮し、梨田監督が来季確実視された開幕投手について白紙の方針を明かした。

 ダルビッシュは2度目のMVP受賞も、不完全燃焼の1年だった。3年連続の防御率1点台に、4年連続での2ケタ勝利。プロ入り5年目以内で2度目受賞は稲尾和久氏(故人)、マリナーズ・イチロー(当時オリックス)以来3人目の快挙になったが、自己評価は厳しかった。「最後まで戦力としていなかったので。稲尾さんとかイチローさんほどの内容じゃないんで、それほど価値はない」。エースとして、シーズン佳境で戦列を離れた率直な思いを吐露した。

 プロ6年目を迎える来季へ、まだ不安は残っている。来年3月20日のソフトバンクとの開幕戦。4年連続の開幕投手は確実視されたが、梨田監督は「それ(開幕投手)は関係なしに体を治すことが優先。トレーナーと話をしながら(まずはリハビリを)ね。監督、コーチの意向は度外視していい」と、白紙にする方針を明かした。

 07年から2年間、シーズン200イニング以上登板。その間に国際大会出場も経験し、オフも犠牲にしてフル稼働を続けてきた。その“勤続疲労”が今季終盤の左臀部(でんぶ)痛などのコンディション不良につながった。梨田監督も「今までずっとキチッ、キチッと投げてきたから」。今季2度の戦線離脱は、そのツケが出た形になった。

 今は休養が第一で、ダルビッシュは「これほどゆっくりできていることはない。とりあえずキャンプに向けて体を治し、ファンの方を喜ばせられるような体にして、リーグ優勝とか日本一ができたらいい」と話した。日本シリーズ終了直後には、右手人さし指の疲労骨折も判明。梨田監督は「これからまだ先がある」と将来的なことも考慮し、まず開幕投手の座を“返上”させる親心を見せた。【高山通史】

 [2009年11月19日8時38分

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