日本ハムが、来季から指名打者(DH)を「変動制」で臨むことが13日、分かった。今季、主に担ってきたスレッジの退団が濃厚で、空位になりそうなDHを有効活用するプランが浮上した。基本線は好調な戦力の積極投入。それ以外にも故障など不安を抱える選手の負担軽減のためのポジションとするなど、臨機応変に使うことを検討している。

 届かなかった日本一へ上り詰めるための戦略の1つが、見えてきた。梨田昌孝球監督(56)が「DHは止まり木のようなものと考えている」と、かねて明かしていた構想が、複数の強打者で循環させる策になる。今季は代打が主だった坪井、二岡の左右の巧打者を軸に、稲葉、高橋ら故障を抱えている選手を無理使いしないための、パンク防止策にも活用する。

 中田、陽らの若手は、基本的に守備位置を奪取しなければ、レギュラー起用しない方針を固めている。そのため、DHはベテランや中堅勢で回していく。固定起用しないことで、試合終盤での代打策も攻撃的に行える。投手の左右にも柔軟に対応でき、選手を固定しなければ打順に固執する必要もなくなる。よりバリエーション豊かな打線を組むことが可能となる。

 梨田監督は「いるメンバーでやっていくしかない。期待している選手もいる」と、来季は新戦力を見いだしての日本一取りを目指している。スレッジが退団すればダメージはあるが、新しい攻撃スタイルが見えてくるのも確かだ。

 [2009年12月14日9時23分

 紙面から]ソーシャルブックマーク