新任の巨人斎藤雅樹1軍投手コーチ(44)が25日、自身の経験に照らしたタフネス先発育成プランを明かした。斎藤コーチは先発転向した89年、11連続完投勝利という驚異の日本記録を樹立。「ミスター完投」の異名を持つ。「今の若い子は『6回まで投げれば』とか決めているフシがある。時代もあるが、本来先発ピッチャーは完投するもの。今までなら交代の場面でも、状況によっては『投げさせましょう』と監督に言うつもりです」と我慢の継投に徹する。

 斎藤コーチには忘れられない試合がある。89年5月10日の大洋戦(現横浜)。8回に1点差と迫られたが当時の藤田元司監督(故人)に続投を命じられ勝利。「へろへろだったけど、藤田さんが行かせてくれた。壁を突き破ることができた」。ここから11連続完投勝ちをマークした。師に背中を押してもらった恩義。指導者となった今、後輩たちの背中を押し、強い投手を育てる。

 今季、投手陣の完投数は12球団中8位タイの12。斎藤コーチは「内海、東野。完投能力を持った投手がいる。(高橋)尚成の投げた25試合を補わないと」と、志高く胸算用を明かした。【宮下敬至】

 [2009年12月26日9時44分

 紙面から]ソーシャルブックマーク