日本ハムが、梨田昌孝監督(56)の「ボイス・トレーニング」を検討していることが28日、分かった。美声の持ち主で、ダンディーな渋い低音が魅力。その半面、やや声が通りにくく、インタビューなどでファンなどへ、伝わりづらいこともあった。失言にとられるなど、誤解を招くようなアクシデントを避けるため、発声法のレクチャーを受けるプランが浮上した。

 余計なお世話は承知の上だが、球団のシンボルだけに盤石の態勢をとることになった。発端は10月6日西武戦、2年ぶりのパ・リーグ制覇を遂げた優勝監督インタビューだった。「ファイターズのファンは宇宙一」という決めゼリフをかました。だが実は「宇宙一」の部分をもう1度、言い直していた。最初の発声の時に聞こえづらかったためか、ファンの反応がイマイチだったのだ。

 球団関係者は「いい声をしているが、通りづらい声質。もったいない。もし監督が変えたいのであれば、いろいろと考えてもいい」とプランを浮上させた。同監督は、数々の講演会などをこなしており、人前でのトーク技術は抜群。その良さが相殺され、持ち前の能力が半減しては…との思いから、改善策として専門家による「ボイ・トレ」の案などが候補になっている。

 もちろん、梨田監督の希望がなければ「個性」を勝手に奪ってしまうことになりかねないため、打診するかどうか今後、慎重に判断する。チームの一番の「発信源」だけに、正確かつ迅速に、ファンら周囲へ情報などを届けたいところ。来季3年目の梨田監督が、歓喜のシーンで再び、シャウトするための準備だけは整える。【高山通史】

 [2009年12月29日9時19分

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