広島今井啓介投手(22)が、ドジャース黒田博樹投手(34)のおとこ気アドバイスに感激した。7日、マツダスタジアムで2人はそれぞれ違う時間帯に自主トレを行った。本来は時間が合わず対面できない状況だったが、かねて話を聞きたいと希望していた今井のために、黒田はいったん帰途につきながら球場に引き返して対面。今井は「すごくありがたい」と感動し「恩返しのためには結果を」と今季の飛躍を誓った。

 今井は感激していた。「(黒田の助言は)すごくありがたい。恩返しには結果を残すことですよね。今日の言葉で今井は変わったと言われるくらい成長したい」と目を輝かせた。

 黒田の心遣いがうれしかった。この日、今井は午後からマツダスタジアムで自主トレを行い、ランニングなどをこなした。一方、黒田は同球場で午前中からトレーニング。今井が球場入りしたころには練習を終えて帰宅していた。だが関係者から今井が黒田との面会を希望していることを聞くと、気になってわざわざ球場に引き返し、ロッカー室に今井を訪ねた。

 黒田

 年末に佐々岡さん(広島OB)と会ったときにも今井が僕と話をしたがっていると聞いていた。今井は直接投球を見たことはないけど、技術的にいいものを持っていると聞いたこともある。僕も先輩方からいろいろなことを教えてもらってここまで来たし、力になってあげたかった。

 これまではあいさつ程度だった黒田の話を聞いたのは約10分間。しかし、今井にとっては濃密な時間だったようだ。

 今井

 技術的なことを教えてもらいました。球種も黒田さんと僕は同じで、握りも聞きました。1つひとつの言葉に説得力があります。

 シュートの投げ方について、黒田からは「日本では横に曲がるシュートだったが、メジャーでは打たれる。シンカー気味に変化するシュートを会得してからゴロを多く打たせられるようになった」という話とともに、球の握りも伝授された。「完投したいですから、球数を減らせるボールはぜひモノにしたい」と、キャンプで取り組むことも決めた。投球の際、下半身に意識を置き、右足内側に体重を感じつつ投げる感覚も新鮮だった。上半身に意識を置く今井は、さっそくグラウンドでのキャッチボールで試したという。

 黒田は「きれいなまっすぐで空振りを取りたいと若いころは思っていた。でも結果を出したものが評価される世界。勝つためにどうするか考えなければ」と投げる頭脳についても助言。黒田の“金言”を得て、今井は昨季1勝からの大飛躍を目指す。【高垣

 誠】

 [2010年1月8日10時58分

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