「東出塾」で上位に定着!!

 広島の沖縄合同自主トレが25日、沖縄市野球場で始まった。天谷宗一郎外野手(26)は屋内練習場でマシン打撃を実施。東出からアドバイスを受けるなど精力的に汗を流した。規定打席到達だけでなく、打順でも上位定着を今季の目標に掲げた。積極的に打って出て、カープ打線の破壊力アップに貢献する。

 グラウンドには上達のヒントが落ちている。強い雨が降りしきる沖縄市内のコザ運動公園。打撃マシンと向き合う天谷は、屋内練習場で一心不乱にバットを振った。レギュラー東出からは「お前は分からん。(球を)見るんじゃなく、どんどん振っていけ!」と声をかけられた。同じ左打者で打撃スタイルも似通った先輩からの助言だ。背番号49はひたすら感謝した。

 「いい球を打とうとしすぎて、ボールを見てしまうんです。(カウント)0-2から、球を見すぎて、中途半端になって、セカンドゴロやショートゴロになったりしてしまっていた」。

 球の見極めは確かに大切だ。一方で特に打撃練習では、強く大胆に振る大切さを東出は説いている。マツダスタジアムのロッカーブースが隣り合う間柄だ。「オレがお前くらいの才能なら3割20、30本くらい打てる」「僕があれくらいのヘッドスピードがあれば、もっとホームラン打てるなと思うくらい才能のすごい選手」と、天谷を評したこともある。素質を認めるからこそ、言葉をかける。

 天谷は昨季、5月に右手を骨折して長期離脱した。それでも復帰後は勝負強い打撃を披露。規定打席に満たなかったが、打率3割をマークした。そんな状況に慢心しない。「(多くの試合に出た最近)2年間は規定打席に達していない…。上位を打ちたい。1、2、3番を打ちたい思いはあります」と話し、向上心をかいま見せた。あくまで野村監督の起用法によるが、希望する打順を打ち明けた。

 クリーンアップの重みは承知だ。昨季、3番では打率2割9分8厘をマーク。08年には3割2分4厘を記録するなど、及第点の成績を残す。「去年3番にいたときは、ある程度、打点を意識しました。栗原さんの負担も大きくなる。走者が二塁にいるときは、僕がかえそうと心掛けました」。勝負強さを発揮すれば、主軸定着も現実味を帯びる。

 「ホームランを打ちたい思いはあるけど、それよりも二塁打や三塁打を重視したい」。大技小技を繰り出せる天谷が、先輩のアドバイスを糧に、さらなるステップアップを期す。【酒井俊作】

 [2010年1月26日11時23分

 紙面から]ソーシャルブックマーク