シーズン見すえてエース調整!

 阪神岩田稔投手(26)が30日、沖縄・宜野座での合同自主トレに合流し、本格的なブルペン投球を開始した。無精ひげを蓄え、終始鋭い目つき。侍の風ぼうで緊張感を漂わせた岩田は捕手を座らせて20球を投げた。カーブ、ツーシーム、スライダーと軸となる変化球も試し、キャンプへの準備を終えた。

 例年より遅めの初ブルペン投球となったのは、開幕までの日程を逆算し、フルシーズンを戦い抜くため。「エース」の役割を担う意気込みが表れていた。「ゆっくりやろうかな、と思っています。飛ばしすぎず、しっかりと。勝負はキャンプじゃなくシーズンに入ってからですから」。

 プロ未勝利で迎えた08年は2月10日の練習試合・日本ハム戦に先発するなどハイペース調整。好投続きで初の開幕ローテを勝ち取り、シーズン10勝をあげた。ただ、昨年はWBC代表候補に追加招集され、急ピッチ調整が結果的に裏目に出た。3月のWBC中に左肩を痛め、シーズンも出遅れ。最終的に7勝をあげたが、チームに迷惑をかけたという思いは強い。

 今季は大黒柱として期待される。開幕投手候補も事実上、安藤と岩田の一騎打ちの状況だ。エース格として1年間フルでの活躍が責務だけに、1軍キャンプでは体作りを重視。ソフトバンク杉内らとの合同トレで学んだ体幹の強化をキャンプ中も継続する予定だ。

 「意識して早くモノにできるよう継続します。杉内さんは高い意識で練習量をこなして強い体に結びつけている。積み重ねが大事。(キャンプでは)ケガをしないように(が1番)」。

 開幕3・26横浜戦への興味は「全然ない」と言い切るが、背負う責任は自覚している。

 [2010年1月31日12時31分

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