日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が「軽量ボディー」に変身しての試運転を開始した。沖縄・名護キャンプ初日の1日、ブルペン入りして45球の投げ込みを敢行。今季はパフォーマンスを高める狙いで筋肉量をあえて落とした。昨季約94キロの体重は、自主トレ時から90・2~90・4キロの間で維持。単純な減量ではなく、体全体の動きをスムーズにするための試みだ。

 入団2年目の06年に、体づくりの重要性に開眼。それ以来、196センチの長身にマッチするように一時は100キロ以上を目指して増量してきたが、一時停止することにした。「力とか強さとかは変わらないけれど(筋肉)量は落とした」。まとったよろいを外すことで、自然と軽量化している。

 車に例えれば排気量ではなく、モーター部分に視点を置き換えた。圧倒的なパワーを生んできた原動力は卓越した運動能力。下半身から始動する低い重心移動で体全体からパワーを生み出し、最終的にボールへと伝える。すでに肉体は完成形に近い。その動きを行う上で障害になる可能性がある筋肉量の調整という、新しい段階に入った。

 「今の方が投げやすい。でもシーズンになってみないと分からない」と慎重姿勢も見せたが、まずは充実感いっぱい。昨季終盤は左臀部(でんぶ)痛、右手人さし指の骨折など故障に見舞われたが、その不安も一掃。梨田監督は「やっぱりすごい投手だな、と思った」とあらためて信頼を深めた。【高山通史】

 [2010年2月2日9時0分

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